C5エアクロスは昔のシトロエンらしい「ゆるフワ」な走りを最新SUVで再現した確信犯だった
掲載 更新 carview! 文:南陽 一浩/写真:望月 浩彦
掲載 更新 carview! 文:南陽 一浩/写真:望月 浩彦
ダッシュボードの雰囲気は、明らかに「C4 カクタス」以降の世代に連なるものがある。日本でもヒット作となった「C3」で見られた、ヴィンテージのスーツケースに着想を得たデザインで、TEPレザーという人工皮革によるグレーの落ち着きあるツートンが小洒落ている。12.3インチの大型タッチスクリーンに加え、ドライバー中心に必要情報や表示が集められたSUVならではのコクピット感が漂うが、本気の“男っぽい仕事場”というより、そのパロディだからこそお洒落に見える、そんなデザインだ。
加えて特筆すべきは、上級グレードのシートにのみ備わる「アドバンスト・コンフォート・パッケージ」、略してA.C.P.。これはシートのクッション材として使われる高密度ウレタン素材を最適化し、快適性を追求したものだ。軽く沈み込みを伴う柔らかさと、横にズレにくいホールド感は、シトロエンならでは。
前列シートも広々しているが、3人がけ後列シートも手抜きがなく、独立して前後スライドが可能。誰もが平等な権利を主張するフランスっぽさでもあるが、2列目は1/3ずついかようにも畳めるので、580Lから最大1630Lまでアレンジしやすいラゲッジルームは、ミニバン卒業ファミリーにも不満はないだろう。
バイワイヤのシフトレバー脇には、氷雪路など滑りやすい路面での駆動力を最適化しつつヒルディセントコントロールも含む、ダイヤル式のアドバンスドグリップコントロールが備わる。
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